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建築にまつわることについて、思うままに文章にしてみました。気軽に読み流して下さい。

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誰がための審査
この6月下旬に建築基準法改正がありました。2006年の構造計算書偽造に対する改正ですが、審査、検査の厳格化ということで、今まで審査にかかった時間も、3週間から5週間、最大で10週間という期間に延長されました。
審査に必要な書類を増やし、構造計算に極端にナーバスになった印象です。
それはそれで、偽装物件に巻き込まれてしまった関係者の心情を考えるといたしかたないのですが、それとは別に個人的に疑問に思うことがあります。
法改正に伴い、設計図書に法令に適合しない箇所や不整合な箇所がある場合、再申請を求めることとした、という通達です。
設計図書上のミスは、あってはならないことでしょうが、それにしても鼻息の荒い通達です。
確認申請には、手数料がかかります。もちろん、建築主の負担です。建築主が行政に対して、建築行為が建築基準法、関係法に適合するかの審査を手数料を添えて申請するわけです。(実際に行政に対応するのは代理人で、建築主から依頼された施工会社や、設計士)
金を払って願書を出しているのに、ミスがあったからといって突き返して、また金を払って同じ内容の物の再審査とは何事ぞやという納税者の思考パターンを推察してかどうか解りませんが、行政では、仮審査というかたちで審査の前の審査を実施している所もあります。この段階では手数料は不要で、仮審査でどうやら突き返さないで済みそうだというところで、本審査に移行するようです。

偽装問題を繰り返さないためにチェックの視力を上げるのは誰でも賛同できることです。
しかし、多忙すぎてかどうか知りませんが、また偽装方法が巧みだったのかわかりませんが、
手一杯であっぷあっぷの審査する側に、さらに仕事を増やすことで問題解決に線を引いて面目を保った行政の誰かに賛同はできない気がします。

今回、誰を守るための法改正?
('07 Sep)

ライト・トーナス値       
私たちの身のまわりには、たくさんの色があふれています。色で識別できる標識、お店の看板など文字情報にたよらずに、パッと見た瞬間に識別できることは、日常生活で多いはず。色彩に情報を持たせて識別する方法は、どなたでも活用しているのではないでしょうか。
醤油は赤、ソースは青などなど。

そのようなわけで、今回は、色が人におよぼす影響、心理作用のことについてです。
人間が、色を感じるられるのは、視覚だけではなく、生全体でも反応していることが明らかになっているそうです。色の作用によって筋肉のゆるみ、緊張の度合いを分析した結果がライト・トーナス値といい、数値で度合いを示します。
リラックスしている正常な筋肉の緊張度を23とし、数値が低いほど筋肉の緊張度は低く、高いほど緊張し興奮していることを示します。ベージュ、パステル系の淡い色は、23に近い値で最もリラックスできる状態を示し、以降、青24、緑28、黄色30、オレンジ35、赤42と増加します。
つまり、青や緑系までがリラックス効果を生み、黄、橙、赤系になるとストレスを強いられる結果になります。
木のぬくもり感や安心感をテーマにして内装を木質系にまとめたり、建物構造自体、木造を選択するケースなどはベージュ系のリラックス効果の作用と云えるかも知れません。

また、色効果は上記のほか、時間感覚にも作用し、刺激色である赤色系は、時間が早く過ぎるように感じられるそうです。赤色系は、脳を興奮させて新陳代謝を高め、エネルギーをどんどん消費させる効果があり、一定時間に使われるエネルギーが多いほど時間の経過が早く感じられる仕組みなのです。
さらに色効果は温度感覚にも作用し、暖色系と寒色系では、心理的な温度差は3度もあるといわれます。
今は,盛夏。室内のカーテンや小物などを寒色系にまとめると少し体感温度が下がる効果があるかもしれません。

とかく好き嫌いで選んでしまいがちな色ですが、心理作用の効果を把握して、上手に『色』とつき合っていきたいですね。('07 Aug)

リビングルームの考え方
about_living住宅には、来客を迎えるためのパブリックゾーンと、住人や家族のためのプライベートゾーンが存在します。
言ってみれば、表と裏の顔の二面性を持つわけですが、両面の性質を兼ね備えなければならないことになる現代の一般的なリビングルームについての考え方を書いてみます。

現代での都市型の多くの住宅プランと共同住宅プランは、リビングルームでゲストの接待や家族の娯楽や団らんの空間が共存しているのが現状です。
対して、欧米の多くの住宅プランは、上記の表と裏の部分がはっきり別れています。
パブリックとしてのリビング、ダイニングとは別にヌック、ファミリールームという空間があります。
一区画の敷地の規模やコストなどの違いといってしまえばそれまでですが、日本でも旧家や武家屋敷など、来客のための表の部分(座敷)と家族のための裏の部分(茶の間)が存在していました。
近代でも応接間(今はあまりこの単語は使われませんが)を設けた家はたくさんあります。
表裏の意識では洋の東西を問わず変わりません。意識レベルでは、人を迎え入れる空間を整然とした空間に保とうとする意識と、もう一方、整理整頓に頓着せずいられる空間が欲しいという意識が存在してるのだと思います。

アメリカのホームプランを見ると、延べ床60坪位から、パブリック、プライイベートの区分けがはっきり見られるようになります。パブリックのリビングは約8〜12帖、パブリックのダイニングは8帖強、対してプライベート部分のファミールームが18~20帖という割合が多いようです。
パブリックが存在しないプランでは、ダイニングとリビング合わせて18~20帖位が一般的なようです。ビルトインガレージが付属していることを除けば、日本とあまり変わりはありません。

さて、表裏共存のリビングルームの話ですが、何の問題があるのかというと、子供の玩具や趣味の手芸品などや雑誌、小物類が置いてあったりすると、来客時にかたずけなければならない煩わしさや、娯楽の家電(テレビ、オーディオ)や家具類が混在する煩雑さの2点が上げられます。
これは別の空間、すなわちアメリカ住宅にあるようなファミリールームがあれば、横着な考え方ですが整理整頓はパブリックのみで解決できるわけです。しかし、街並が高密度、低建ぺい率の条件では、1階にパブリック空間とプライベート空間をおさめることはむずかしいことです。

解消案として、2階のベッドルームは最小限の広さにとどめて、2階にファミリールーム的な空間を設ける方法もあるでしょうけど、子供の行動を視野に入れておきたいときは、デメリットになります。
また、地下部分に思いきって空間を設けるのも手でしょうが、コストがかかったり、建物が近接している場合は、工事段階で近隣の地盤に影響をおよぼしたりします。プラン計画上、スペースがゆるせるなら、何でも押し込められるウォークイン・クローゼットをリビングルームに隣接させる方法が一番、手っ取り早いかもしれません。

一方、プライベートゾーンやパブリックゾーンの分離にこだわらない住空間があります。
セカンドハウス(別荘)がそれで、オーナー自体が日常から離れてくるゲストです。とはいえ、整然とした空間かといえば、逆の発想で和みの雰囲気が意図された空間が多いと思われます。セカンドハウスでも日常生活が営める設備は一通りそろっています。機能的には、普通の宅地に建つ家と変わりはないので、意識によって空間はちがってくることになるのです。

だらだらと、勝手なことを書いてきましたが、表の顔と裏の顔、みなさんは、どう料理しますか?
('07 Jul)


デザインとバランス  
ここ最近、何かをデザインをする上で、ポイントになるのは、「バランスをいかにとるか」が重要だと感じています。
ここでいう、バランスとは、使い勝手(機能)とデザイン(視覚的なもの)のことなのですが、身のまわりの物で、例えばティーカップやコーヒーカップ。
凝った絵柄やかたちのものはティータイムで優雅さなど演出効果には一役買いますが、いざ洗うとなると気を使うものです。
低価格コーヒーショップのカップは、無表情で上記と対照的です。また、小児用のカップなどは、安全でシンプルなかたちのものが主流です。無機質感そのものですが、かろうじてキャラクターなどのプリントで親しみやすさを演出していますよね。
カップだけの例を述べましたが、他にも類似ケースがあると思います。
得てして、機能性に重きを置くと無機質になりがちで、演出効果を狙いたい時は、若干の機能性は影をひそめがちなようです。
建築計画でも、たまにこの問題に直面します。空間に変化を求めて床に段差を設けてみたり、意外性を演出してみたりするのですが、根底に確保しなければならない安全性や機能性がそっちのけになっているケースがあります。
日常生活の快適さや使いやすさをベースに、視覚的に無機質感がなく、少々の意外性(アクセント)があり、それによって与えられる印象が、ユーザーにとってやすらぎや豊かさに繋がるなら、ベストデザインではないでしょうか。('07 Jun)

建築コスト
建築関係のサイトには不動産物件売買以外で、建物本体価格を表記しているところは、あまりないのではないでしょうか。
エンドユーザーが一番気になるところがわからないのでは、肩すかしを食らった感をもたれるかと思います。展示場に行ったり、資料を請求したりと、一歩踏み込んでいかないとわからないのが現状のようですね。
このサイトでも建築費を表示していません。フリープラン(自由設計)ゆえ、決まった仕様もあえて設定していないためです。
とはいえ、やはり気になるのは、お値段でしょう。
建物本体価格は、おおざっぱに、単世帯、自由設計、ツーバイフォー工法、16インチモジュール(柱、根太類間隔406.4mm)、建具類は輸入建材使用、室内壁・天井ドライウォール仕上、外壁モルタル下地吹付仕上、屋根材スレート葺、小屋裏収納スペースあり、で坪単価60万円強です。
これは、あくまでも一例で、モジュールや外・内部仕上の変更などで、コストは上下します。
坪単価60万円台の建物といえばグレードは、ほぼ高い方だと思います。坪単価40〜50万円で、価格を設定することも可能ですが、エンドユーザーからすると制約を受ける部分は結構あるのではないでしょうか。
いわゆる企画型のタイプで、敷地にぴったり納まり、建物の仕様がOKならベストでしょう。
さて、坪60万円強と書きましたが、高めの値段だな、と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、坪40〜50万円代で建築請負契約をして、いざ工事段階になると、何かが含まれていなかったり、変更や追加をして終わってみれば坪60万円後半、というケースはざらにあります。スタンダードなものと、少しグレードの高いものの選択をせまられたとき、皆さんはどうしますか?。『一生に一度あるかないかの買い物で、ケチってる場合じゃない』と、考えられる方が多いのではないでしょうか。しばらくは旅行、レジャーは近場ですませて、食事のおかずは一品へらす。アフター5の誘いは、3回に2回は断る。お金のかかる趣味はほどほどにという犠牲を強いて。
それもしかたないのでしょうが、個人的には、予算は低めから設定するよりも、できる限り高めに設定することをおすすめします。
ランニングコスト(光熱費、メンテナンス費用等)を軽減するために、イニシャルコスト(初期費用)を高めにとる考え方です。
よく耳にする『少し長い目で見て多少でも最初に無理をしたほうがよかった』という後日談は、本音の話だなと思います。 ('07 May)
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輸入住宅
image of inport輸入住宅という名称が初めて登場したのは、1984年のこと。建築資材のほとんどを、北米から一括輸入して建てる方式をとっていたハウスメーカーの自社実例集の出版物に冠された造語です。本のタイトルは『輸入住宅ー日本に建つアメリカ直輸入の住まい』。
その本の中の実例は、構造材、外部や内部の仕上材、建具のほとんんどを、北米からの輸入建材を使用して建てられたものです。それらの外観は個性的で、いままでの住宅建築にはほとんど見られないものでした。外部の建具などは、デザインの個性もさることながら、気密性や断熱性に秀でた逸品です。
ただ単に見た目の個性の追求から、輸入住宅に結論を見いだす選択肢もあるかもしれませんが、実は、一定の技術水準を満たせば、同時に耐震性、耐火性、気密性、断熱効果にすぐれた建物を選択したことにもなるのです。 ('07 Apr)
キッチン
いまや、食も多様な文化の融合です。中華、フレンチ、イタリアン、もimage of kitchenちろん和食。それにあわせて食器や鍋の数も多いはずです。キッチン家電もしかり。調理をあまりというご家庭でも、キッチン廻りの物は案外多いのではないでしょうか。とかく予算の都合でコンパクトになりがちなキッチンですが、なるべく大きめのスペースが必要なのは事実です。 調理スペースあなどるなかれです。
('07 Apr)
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エントランスホール
image of entrance左の図面画像の1階部分は玄関とリビングにドアー類の干渉帯をなくした例です。玄関を入ると正面にミラーバイフォールドドアーが目に入ります。リビングへのアクセスはこのミラーDを迂回するように入ります。ドアーを開けた時に部屋を見渡せられずにする工夫の一つです。音の問題、ほこりの問題等、デメリットに感じる方もいらっしゃると思いますが、ひとつの例としてご参考までに。
('07 Apr)
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動線計画
image of layout建築計画などで、人や物を適材適所にスムーズに導くようにレイアウトすることを動線計画といいます。公共の建物などは、安全上や避難経路を明確にするルールのもとで動線計画します。個人住居の場合でも、スムーズに無理なく効率的に計画することは大事なことです。プライバシー確保や来客時の裏動線も同じです。
私のプラン計画の鉄則をここでひとつ。
キッチンなどの家事スペースは2方向アクセスにします。食品の買い物から帰宅してリビングやダイニングを通らず、ホール(廊下)からキッチンに入れるようにすると裏動線も確保できて便利です。さらにキッチンに隣接させてユーティリティを設け洗濯スペース、アイロン掛けスペース、ごみの一時保管場所、ペットの居場所などをレイアウトします。必要であれば勝手口を設けてごみの搬出のバックヤード動線をとります。この動線の途中にペットの足洗い場を設けるのもいいでしょう。空調設備の制御スイッチやインターホンなどはキッチン廻りにまとめます。一種のコントロールルームのようなものです。この考えをほぼ取り入れたプランはサンプル図面としてサイトに載せています。ご覧になってみて下さい。>>こちらです。 ('07 Apr)
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家相
image of kasouそもそも家相は先人の生活環境についての知恵、知識や改善方法の集大成です。自然との調和と共存の理論的な方法といえるでしょう。都市計画、構造力学、地質、地形、気象、衛生、色がどのように人の心理に効果的に作用するかの知識を盛り込んだ内容です。
病原菌発生の原因につながる食物の貯蔵場所や不浄の位置を日の当たる方位にもっていくな、構造面でいえば柱を継ぐな、不安定な頭でっかちの危険な建物にするな、といった教訓です。
現代では、衛生面、環境面や建築構造の技術面で整備した環境が整いつつあります。昔のタブーが技術的に解消されている場合もあります。家相で説かれている内容が、必ずしも、現代であてはまることは限らないのです。技術的に可能なプランをわざわざ不自然な形状や使い勝手の悪いプランに変えてしまう必要はありません。凶を吉までとはいいませんが、特に問題なしというところまで我々は、自然と共存できているのではないでしょうか。
情報が錯綜する昨今、先人の教えが、現代で誰かの都合のいいように解釈されることがないように見極めたいものです。
開運ブームの昨今、家具の位置ひとつでも、人の運勢は変わるそうです。この家具の位置を動かせば、自然の明かりをより取り入れられて、通風も確保できるので、すがすがしい気分で一日が過ごせますよ、電気代も浮きますよ、ということを、さも悪いことが身にふりかかってくるような『運気』という言葉を乱用するアドバイスは、悪い勧誘を想像させます。
それにしても先人達は、今の風水、家相で開運、運気という言葉が、自然との調和や共存とかけはなれたところで飛び交っているのを、どう思っているでしょう。 ('07 Apr)
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